いつかあなたに逢いたい

2015年12月に6年付き合っていた最愛の彼を喪いました。
正直どう生きていったら良いのかわからないまま・・・今を過ごしています。

治療方針の選択

自分が延命治療の選択をした経験から思う。
これは本当に難しいことだと。
考えてみたら当たり前なんだけど。


医療の現場では、治療方針を患者や家族と話し合ってどうするか決めることもある。
延命治療をするかどうかだってそう。
手術をするか、手術せずに保存的に診ていくか。
口から食べられなくなった時に胃ろうを造るのかどうか。
他にもたくさん選択する場面がある。
私たち医療従事者は選択肢を提示し、最終的な決定は本人やご家族にしていただく。
以前、私は仕事としてそのことを当たり前のようにやっていた。
実際、私たち医療従事者はその選択をしてもらうことが当たり前だと思ってしまっている。日常となりすぎてしまっている。


でも本人やご家族にとってそれはとても大変なこと。
自分が身を切られるような思いをして初めて思い知らされた。
わかっているつもりだけど全然わかっていなかった。
特に医療とか介護とかに今まで携わったことがない人が、いきなり選択を迫られても答えられないし不安だらけだろう。
特に対象が最愛の相手なら尚更躊躇するだろう。
医療知識をある程度持っている自分でさえ、あの時した選択が正しいのかどうか未だに答えが出せていないのだから。


だからどの選択をするにしても、後悔のないようにしてもらいたいと思った。
一度の説明で患者や家族に完全に伝えることは難しい。
だから何度でもどの選択をしたらどんなメリットやデメリットがあるのか、どんなリスクがあるのか説明するようにしている。
そして「患者が退院後どこでどのように生活していきたいのか」に焦点をあてて、それに見合った方針を医師と相談して提示するようにしている。
まぁ、まだまだ未熟なんだけれどね、私は。


私たちにとっては日常のことでも、患者や家族にとっては一大事。
そのことを忘れたら本当にダメだなと思っている。
自分自身がどれだけ腐っていても、立ち止まって患者や家族の思いを考えて寄り添える医療従事者になりたいな。
そうしたら、彼も褒めてくれるかな。

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