いつかあなたに逢いたい

2015年12月に6年付き合っていた最愛の彼を喪いました。
正直どう生きていったら良いのかわからないまま・・・今を過ごしています。

あの時のことのブログ記事

あの時のこと(ムラゴンブログ全体)
  • ”あの時のこと”を書き終えて

    彼が突然倒れた日のこと。わずかな期間しかなかった入院生活。 そして彼がこの世を去った後のこと。 とりあえずは書き上げることができて良かったと思う。 ここまで引き伸ばす予定は正直、なかったけれど。 最初は3回忌までに!とか言っておきながら、気分が一旦堕ちてしまい、ずるずるとここまできてしまった。 入... 続きをみる

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  • 彼のお母さんからの手紙

    ”あの時のこと”はもう全て書き終えたと思っていたけれど。 もう一つ、書いていないことがあった。 それはあの時いただいた、彼のお母さんからの紙袋のこと。 正直葬儀後しばらくは呆然としていて、その紙袋の存在すら忘れてしまっていた。 でもアパートで一人ぼんやりしていた時にふっと思い出し、開けてみた。 そ... 続きをみる

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  • 葬儀から、帰った後

    昨日の記事の続き。あの時のこと。 自分の実家に帰って夕食を出された。温かい鍋。 食欲は全くなかった。でも家族には心配をかけたくない。食べるしかない。 汁を啜り、具を少しだけ食べた。 それだけで涙が出そうだった。 温かい・・なのに彼は、冷たかった。 ”彼だったモノ”はいずれ冷たい石の中に入れられるん... 続きをみる

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  • お骨

    再び続き。あの時のこと。 あの時のことを書くのも、もうあと2~3回になると思う。 少し生々しい表現があるかもしれません。 斎場に下りていくと、そこには”彼”がいた。 いや、正確には”彼だったモノ”か。 私がお骨拾いをするのは二度目。祖母の時以来だ。 祖母の時はお骨が少し黒ずんでいて、小柄だったから... 続きをみる

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  • 初七日法要

    久しぶりに振り返る。あの時のこと。 おぼろげになってきているうえ、長文乱文です。 斎場に戻り、彼の火葬が終わるまでの間、繰り上げで初七日の法要が行われた。 私も・・親族ではなかったけれど、彼のご家族のご厚意で参加させていただいた。 お坊さんも含め、彼の遺影の前で会食を行う。 正直、火葬場からの帰り... 続きをみる

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  • 信じられない言葉

    一昨日の記事の続き。あの時のこと。 今回の記事は少し汚い言葉を使います。 火葬が終わるまでは時間があるので、斎場に戻ることになった。 私は彼のお母さん、お坊さんと一緒にタクシーに乗り、向かうことになった。 私は助手席、後ろの座席に彼のお母さんとお坊さん。 彼のお母さんとお坊さんは何か後ろの座席で話... 続きをみる

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  • そして・・・火葬

    前回の記事の続き。あの時のこと。 霊柩車に乗りながら、私は彼に語りかける。 いや、正確には棺に向かって。 心の中で、だけれど。 ”〇〇、早く起きてよ。目を覚ましてよ。早くしないと焼かれちゃうんだよ。それは嫌でしょ?何か声を出してよ” もちろん何の返答もない。 一方で、”何を馬鹿なことを考えているん... 続きをみる

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  • 彼の顔を見て、遺影を持って

    前回の記事の続き。あの時のこと。 斎場から弔問客がいなくなり、棺の周りに彼のご家族と親族が集まった。 私もその中に入れていただく。 彼の棺の顔の部分が再び開けられた。 花を入れるために。 斎場の方が順番に花を配っていく。 私の番。 彼の顔の左側にそっと花を置いた。左側は私の定位置。 ”ねぇ何で起き... 続きをみる

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  • 葬式

    1ヶ月ぶりの続き。あの時のこと。 斎場には少し早く着いた。 昨日と同じように、親族席に案内される。 本当は棺にいる彼の顔を見たかった。 でも他にもまだいたし、そんなことを言い出せる雰囲気ではなかったので言えなかった。 葬式の間は・・周りでどんなことが起こってたかあんまり覚えていない。 彼のご家族と... 続きをみる

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  • 葬式が始まるまで

    再び続き。あの時のこと。 お通夜が終わって自宅に戻る。 家族とは一言もしゃべらなかった。 というよりしゃべることができなかった。 夜。布団に入って悶々と考える。 明日、彼と本当にお別れになってしまうらしい。 そしてまた自分のアパートに帰らなくちゃいけない。 日常に戻らなくちゃいけない。 私はそれに... 続きをみる

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  • お通夜、そしてその後・・・

    前回の記事の続き。あの時のこと。 ※泣きながら書いた+当時の記憶が曖昧なので、ところどころおかしな表現があるかもしれません。 彼のお通夜が始まろうとしていた。 私も慌てて席に座ろうとする。 すると彼の両親が私を手招いた。 なんと私に親族席の一番前に座ってほしいとのこと。 ご両親、彼のお姉さんと並ぶ... 続きをみる

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  • お通夜の前に

    唐突に始まる前回の続き。あの時のこと。 納棺式が終わって。 彼が入った棺が祭壇の前に移動した。 お通夜が始まるまで時間があったため、どうしようか・・何か手伝えることがあるか・・と思っていると、彼のお姉さんに声をかけられた。 「ナナドゴブさん、悪いけどウチの子とちょっと遊んでてもらえる?」と。 彼に... 続きをみる

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  • 納棺式

    再び続き。あの時のこと。 やっぱりあの時のことを書くのはしんどい。 今日みたいな休みの日しか無理だな。 ここからはけっこう記憶がごちゃごちゃになっているので、多少おかしな所があってもスルーしてください。 斎場から実家に戻りしばらくぼけーっとしていた。 完全に思考がフリーズしていた。 そしてふっと思... 続きをみる

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  • 納棺の前に

    唐突に始まる続き。あの時のこと。 あの時のことを書くのは3ヶ月ぶりくらい。 久しぶりに書けそうだったので、書ける時に書いておかないと。 2015年12月5日。彼のお通夜の日。 前日はよく眠れた。 多分いろいろな疲れが重なっていたんだろう。 でも起きた瞬間の絶望感はすごかった。 まず”あれ?何で私は... 続きをみる

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  • 最期について

    ※人によっては不快に思われる表現があるかもしれません。申し訳ありません。 彼は世間でいう”突然死”には当てはまらないのだと思う。 病院に運ばれた時点で混濁しながらも意識はあったらしいし、助かる可能性だってあった。 いなくなる前々日からいわゆる”死”へ向かっている兆候だってあった。 でも長い期間闘病... 続きをみる

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  • 断念

    数日前の記事で彼の葬儀のことは年内中に書きたい、と言っていたけれど。 多分、というか絶対無理だ。 あれからいくつか記事を書いていて、思ったよりも書きたいことが多いことに今さらながら気づいた。 あの頃のことを振り返って、記憶をなぞってみて。 自分の中で無意識に封印していた思いとか、感情とかも甦ってき... 続きをみる

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  • 自分の想いを相手に

    あの時のこと。続き。 でも今回の記事は雑感部分が大半かもしれない。 Sさんと話した後彼のご家族へ挨拶し、実家へ帰った。 でもその後は記憶が曖昧だ。 家族と何を話したか、どんな顔をして会ったかほとんど覚えていない。 夕食は鍋だった気がするけど、ほとんど食べられなかったことだけ覚えている。 実家に帰っ... 続きをみる

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  • Sさんと話す

    またまた続き。あの時のこと。 どうしてもあの時のことは続けて書けないから、記事がとびとびになってしまう。 でも書ける時に書いておかないと。 そうやって彼の傍にいると、どなたかが来られた気配がした。 Sさんだった。 彼と私の数少ない共通の知り合い。 彼も私ももともと知り合いだったのだが、お互いにSさ... 続きをみる

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  • 彼に触れる

    再び続き。あの時のこと。 しばらく彼のご家族と話した後。 私は思い切って訊いてみた。 「〇〇さんの・・傍に行ってもいいですか?」って。 承諾をいただき、畳に寝かされている彼の傍に座る。 近くで顔を見てみても、やっぱり眠っているように見えた。 気になっていた髪も、綺麗に洗われたのかいつものようにさら... 続きをみる

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  • 斎場での彼との対面

    この記事の続き。再び、あの時のこと。 彼とのお別れのことは、何とか年内で書き終えたい。 2017年当初にたてた目標は全部中途半端だったけど、何とかこれだけは。 しばらく車を走らせ、斎場に着いた。 外に「〇〇家」と彼の苗字が書かれていた。 中に入り、斎場の人に彼が寝かされている部屋へ案内してもらった... 続きをみる

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  • 曖昧な立場

    再び続き。あの時のこと。 実家に向かって車を走らせている途中。 やっぱり何の感情も湧かない。 涙さえ、出てこなかった。 途中、スマホが鳴っていたのでコンビニに車を停めた。 母からだった。 着信の時間からそんなに経ってなかったので折り返す。 母「いつ頃帰ってくるの?」 私「今向かっているよ。ただ斎場... 続きをみる

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  • ただただ淡々と

    昨日の続き。あの時のこと。 病院を出て車に乗った後、すぐに父親に電話した。 2コールくらいですぐに出てくれた。前日に危篤だと話はしてあったから、もしかしたら私からの連絡を心配しながら待っていたのかもしれない。 今ならそう振り返られるけど、当時はそんなことに気づく余裕なんてなかった。 やけに早いな、... 続きをみる

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  • 最期を迎えた後

    唐突だけど、この記事の続き。 彼がいなくなった後。そのことを書きとめようと思う。 彼の入院生活のことは一気に書き上げられたけど、それ以降のこと(葬儀のこととか)はなかなか書くことができなかった。 辛すぎて。 でも、だんだん思い出すまでに時間がかかっていることに最近、気がついた。 このまま、忘れるこ... 続きをみる

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  • 2年前のこと、そして彼へのメッセージ

    2015年12月4日。彼があちらへ旅立ってしまった日。 あの日はただただ呆然とするしかできなかった。 自分の思考は完全に停止してしまっており、これからのことなんてもちろん、現実を受け入れること脳が拒否していた。 夜の病室で彼と過ごした最後の時間。 私はもうただただ「〇〇、愛してる」と言うことしかで... 続きをみる

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  • 全てを背負う覚悟がなかった

    ※貼り付ける記事が多いです。すみません。 延命治療をするかどうか。 あの時自分がした、残酷すぎる選択。 彼の命の期限を切ったのはきっと私だ。 延命治療をしなかったことに後悔はない。 けど罪悪感がまったくないかというと嘘になる。 あの時の彼の状態から察するに、おそらく救命できても寝たきりになる確率の... 続きをみる

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  • 彼の最期を意識した瞬間

    この日。 彼の病状は素人目から見ても急激に悪化していた。 合併症が本当に強く出てしまっていた。 数日前からは考えられないほど変わっていた。 あの時の彼の虚ろな目。 目は半分開いたのに、その目には喜怒哀楽どころか何の感情も映っていない。 本当にただ”目が開いている”だけの状態。 あの目は今でも忘れら... 続きをみる

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  • あの時までだった

    私が彼との未来を思い描けたのは、思えばあの日までだった。 2015年12月1日。 この日から合併症は出ていたけれど、程度はそんなにひどくなかったから。 彼がうわごとながらもはっきり言葉を喋っていたのもこの日まで。 あの時私は、どうか合併症がこれ以上ひどくなりませんように・・と祈ることしかできなかっ... 続きをみる

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  • あの時どうして気づかなかった

    この日のことで、以前書いたこと以外にもう一つ印象に残ったことがある。 彼の傍にいた時、彼が突然全身を震わせたのだ。 わずか3秒ほどだったけれど。 『外傷による痙攣だ!マジか・・』と思ってしばし呆然としていた。 そばにいた看護師さんは「痙攣とかじゃないと思うんですけど・・」と言っていたが、いや、どう... 続きをみる

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  • 最期の会話

    入院2日目。 この日が彼と会話できた最期の日だ。 「ごめんな、ナナドゴブ。頑張って治すから。手握って。」 これが私が聞いた、私に向けての最期の言葉。 彼は私と生きようとしてくれてと思う。 だからこそ、悔しい。 彼は・・どれだけの無念があっただろう、と。 生きて生きて、もっとやりたいことだってあった... 続きをみる

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  • 2年前の今日

    2年前の今日。 彼が倒れた日。私が地獄に叩き落された日。 その時の経過はだいぶ前、このブログにも記した。 あの時の心情。改めて振り返ってみる。 ”どうして彼が?” あの日の私はそればかり考えていた。 実は初日に対面した時点ではくも膜下出血ということは聞いていたが、動脈瘤によるものなのか外傷性かはは... 続きをみる

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  • 週末のフラッシュバック

    お彼岸。 明日は彼の実家にお邪魔させてもらう予定だった。 でもまだ風邪が完全に治りきっていないので、注文していたお花だけ渡すことにする。 本当にしつこい風邪。 もしご両親にうつりでもしたら大変だからだ。 夕方、お義父さんには電話でそのことをお伝えした。 悔しい。こんな大事な時に風邪をひく自分にもイ... 続きをみる

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  • 最初に自覚した日

    彼がいなくなったのを本当の意味で実感した最初の日は、多分2015年12月28日。 2015年12月4日。金曜日。 彼がいなくなって。 それから週末は2日間にわたって彼の葬儀。 実感のないままそれらに出て。 12月6日に自分のアパートに戻った。 次の日は仕事を休み、ひたすら泣いていた。 そのさらに次... 続きをみる

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  • 救急車と想像と自分と

    眠れない・・ので書いてみる。 自分は本音はここでしか出せない。 なので、吐き出したくなったらここに書くしかない。 だいぶ読みにくい文章となっていますがご容赦ください。 8月1日夜。 相変わらず仕事で遅くなる。 今日の夕飯は出来合いのものでいいや、と思いコンビニに寄った。 駐車した時、遠くから聞こえ... 続きをみる

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  • 一種のトラウマ

    仕事が終わった。 週末にしては上手くいった。 要領よくこなせた。 だからこそ怖い。 あの時もそうだった。 彼が病院に運びこまれる前日。 2015年11月27日。 私が最後に幸せだった日。 あの日もたくさん仕事が舞い込んだけど、自分なりに工夫してこなせて。 わりと定時に近い時間にあがれた。 1年目に... 続きをみる

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  • 彼の葬儀の記憶

    彼が入院していた期間。 2015年11月28日から12月4日。 この間、彼が病院にいた時のことはちゃんと思い出せる。 昨日のことのよう、とまではいかないけれど1年半以上前のこととも思えない。 この時のことはブログを始めてから、わりとすぐに書き残したと思う(2月か3月くらいだったかな) 忘れたくなか... 続きをみる

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  • 彼女としてじゃなくて

    「延命処置をしますか?」 彼の主治医からの言葉。 2015年12月3日。 今でも記憶が薄れないあの日。 人工呼吸器をつけるかどうか。昇圧剤や強心剤を入れるのかどうか。 私はその選択を迫られた。 そして私は「全て望まない」と答えた。 たった6日間の入院生活の中で。 私は彼をどこかで冷静に(?)見てい... 続きをみる

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  • もう一つ、嬉しかったこと

    彼のお父さんから、これも後々聞いたお話。 入院して3日目か4日目。彼のお父さんが面会に行かれた際、彼は訊かれたことに頷きや首振りくらいはできる意識レベルだったそうだ。 その時彼のお父さんは「昨日俺や母親や姉が面会に来たことは覚えているか?」と訊かれたそうだ。 彼は首を横に振ったとのこと。 「ナナド... 続きをみる

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  • ICU症候群

    ICU症候群というものがある。 ICU=集中治療室は高度な医療が必要な患者や、全身状態の綿密な管理が必要な患者、病状が重篤な患者が入る所だ。 そのため様々な医療器具やモニターなどがつけられる。 24時間集中的に患者を看ている為、一般病棟以上に日付や時間の感覚がわかりにくい。 そのため患者は自分はど... 続きをみる

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  • 11月29日

    11月29日。 昨年も一昨年もすごく印象に残っている日。 2014年11月29日。 現在の職場の採用試験を受けた。 この試験を落としたら今年度中はもう転職は厳しい状況だったので、ものすごくプレッシャーに感じていたことは覚えている。 彼はこの日の朝、私にメールをくれた。 「あんまり緊張しすぎないで、... 続きをみる

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  • 去年の今頃に

    きっと今頃だ。 倒れて病院に運び込まれたのは。 お昼頃だと聞いたし。 彼は倒れ、頭を打った瞬間何を思っただろう。 くも膜下出血だから、かなり痛かったよね。 痛い‼痛い‼助けて‼・・・って無我夢中で助けを呼んだよね。 そんなことを考えるとまた涙が出そうになる。 午前中はバタバタしていた分、考えること... 続きをみる

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  • もしもあの日・・

    休日はいろいろなことを考える。 頭からっぽにしたいと思うんだけれどね。 2015年11月28日、お昼頃。 彼は職場のトイレで転倒し、頭を強打した。 実際は誰も見ていないから、推測でしかないけれど。 もしもあの日、私が彼の所へ行って仕事を休ませていたら・・。 ベッドから絶対に一歩も動かないように言っ... 続きをみる

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  • 伝えられなかった言葉

    2015年12月4日午前4時32分。 「ご臨終です」という言葉と共に、彼はこの世からいなくなった。 彼がいなくなる直前、無我夢中で「大好きだよ!!」と叫んだことは覚えている。 でも一緒に過ごせて嬉しかったこと、感謝の気持ちは伝えることができなかった。 もうそれを言ってしまったら、本当に最期のような... 続きをみる

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  • 彼の最期の眠りと私の願い

    私はもともと低血圧のせいか、朝に弱い。 覚醒まで時間がかかるし、寝起きですぐ食事を摂ると気持ち悪くなってしまう。 対して彼は寝起きがすごく良かった。 朝、目覚ましがなればすっきりと起きることができたし、すぐに活動を開始できた。 すごく羨ましかった。 どんなに熟睡していても、私が「○○~」と名前を呼... 続きをみる

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  • 最期の時

    私のアパートから病院までは15分ほど。 彼の実家から病院までは1時間ほどかかる。 そのため彼の所には、私の方が先に着いてしまった。 彼の傍に駆け寄る。 彼の顔、そして胸の辺りは真っ赤だった。そして触ってみると熱い。 なのに、手や足の先は冷たくなっていた。 そして彼の心臓はとてもはやく脈打っていた。... 続きをみる

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  • 病院を出てから・・

    アパートに戻る前、私は職場に立ち寄った。 明日から恐らく来られなくなる。病院へ向かうときも仕事を放り出してきたので、少し整理しておかなくてはいけないと思ったからだ。 守衛さんに特別に鍵を借り、部屋の中へ入る。 携帯を気にしながら、一時間ほど仕事をした。 その後、アパートに帰って家事を淡々とこなした... 続きをみる

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  • 個室に移されて

    待合室で待っている間、私は自分の両親に連絡を入れた。 彼はもういつ最期を迎えてもおかしくない、ということを伝えると両親は絶句していた。 ただ、何かあった時は連絡を入れてほしいとだけ言われた。 余計なことを訊かないでいてくれるのは本当にありがたかった。 多分、数日そっちに帰ることになると思う、と伝え... 続きをみる

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  • 言いたくなかった言葉

    その後も私はずっと彼のそばにいた。 看護師さんの仕事の邪魔だったかもしれないが、どうしても離れられなかった。 彼の友人が帰ってしばらくした後、看護師さんが身体を拭きに来てくださった。 流石に邪魔になるので、少し離れる。 「終わりましたよ」という看護師さんの言葉に再び彼の所に戻る。 そして彼の顔を見... 続きをみる

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  • 病状説明を受けた後

    先生からの説明が終わり、私は彼の所に戻った。 彼の左腕はもう、動いていなかった。 私は彼の動いていない左手を握った。 彼と私が手を繋ぐ時は、彼の左手と私の右手を繋ぐことが多かったからだ。 「どうして・・・○○、どうして・・・」 「結婚しようって言ってくれたじゃない」 「一体、どこでそんなに頭を強く... 続きをみる

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  • 延命治療について

    「お互い無理な延命治療はしないでおこう」 彼と前から約束していたこと。 彼は言っていた。 「ナナドゴブー俺は無理な延命は望まないからね。管だらけになって死ぬのは嫌だから。自然に死なせてね。将来もし何かあったらそうしてね。」と。 私は「わかったよー。でも先にいなくならないでよ。それに私の時もそうして... 続きをみる

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  • 病状説明

    主治医から病状説明を聞くことができるのは普通、家族のみだ。 私はかなり特殊だっただろう。彼女とはいえ赤の他人だ。 後から聞いたところによれば、主治医の先生が私が毎日見舞いに来ているのを看護師さんから聞いて、彼女さんにも病状説明をしたいと申し出てくれたそうだ。 彼のご家族もぜひお願いしますと答えたと... 続きをみる

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  • 入院6日目(2)

    病院に着いて急いでICUへ向かう。 そして彼と対面した。 彼は眼を閉じて眠っているように見えた。 ただ、耳元で声をかけても刺激を与えても眼を開けることはなかった。 しきりに左腕のみ動かしていた。 彼の腕はもう拘束されていない。 それは彼の腕はもう、点滴を抜去するほどの力もないということを意味した。... 続きをみる

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  • 入院6日目

    2015年12月3日。 午前中は全く仕事に集中できなかった。 はやく彼の所に行きたい、はやく時間が過ぎてくれと思っていた。 午後3時ごろ。私に電話が入った。 「ナナドゴブさんですか?××病院のICUの師長です。」 もうこの時点で嫌な予感しかしなかった。 申し訳なさそうに師長さんは続けた。 「電話で... 続きをみる

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  • 入院 5日目(2)

    この日、病院からの帰りに彼の部屋へ寄った。 彼から貰った合鍵を使って部屋へ入る。 今から思えば不法侵入かもしれない。 彼の部屋は、最後に一緒に過ごした時と何も変わっていなかった。 しばらく部屋に立ってぼーっとしていた。 彼は最後に部屋を出た時、その日に帰ってくることができなくなるなんて微塵も思わな... 続きをみる

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  • 入院 5日目

    2015年12月2日。 この日は仕事が長引いてしまい、ちょっと遅くに病院に入った。 ただ看護師さんが配慮してくれて、面会時間より少し長く病院にいることができた。 この日は1時間近く、病院にいた。 病室に入ると昨日より覚醒状態が悪かった。 呼びかけても、手を握っても何も反応がなかった。 俗に『痛覚刺... 続きをみる

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  • 入院 4日目

    2015年12月1日。 この日も仕事が終わってから病院へ行った。 面会時間は40分ほど。 すごく短く感じた40分だったけれど。 病室に着くとやはり彼は眠っていた。 ただ、「ナナドゴブだよ。わかる?」と訊くと頷いてくれた。 看護師さんに訊くと食事はほとんど入っていないとのこと。 また、脳が腫れてきて... 続きをみる

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  • 入院 3日目

    2015年11月30日。 この日は月曜日なので仕事。本当は休みたかったけれど。 そんなことも言ってられないので仕事に向かう。 ICUなので長時間の付き添いはどちらにしろできない。 先輩に事情を話し、定時であがらせてもらえた。 かなり驚いていたが「いいよ、早く行ってきなさい。」と言ってもらえた。 本... 続きをみる

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  • 入院 2日目

    2015年11月29日。日曜日だったため、仕事は休み。 この日は昼から××病院へ行った。 部屋へ入ると酸素マスクから酸素チューブになっていた。 少しホッとした。 また、お茶を飲むこともできたと看護師さんが言ってくれた。 嚥下(飲み込む力のこと)機能は問題ないとのことだった。嬉しかった。 意識状態は... 続きをみる

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  • 対面(2)

    ICUを出た後すぐに帰る気にはなれず、1階にある病院の売店で飲み物を買い、椅子に座ってぼーっとしていた。 何でこんなことになったんだろう、どうして彼が?とかそんなことばかり考えていた。 そして手持ちの携帯で脳出血やくも膜下出血のことについて調べる。 今の彼の状態と照らし合わせると、絶望的なことばか... 続きをみる

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  • 対面

    ××病院に着いた。 ここでふと思った。ICUには通常、家族しか入れない。 私は婚約もしていないただの彼女。入ることができるのだろうか。 とりあえず、ICUの入り口に向かう。 「あの・・今日入院した○○さんと面会できますか?」 看護師が訝しそうに「どのようなご関係でしょうか?」と訊いてきた。 「○○... 続きをみる

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  • あの日のこと

    2015年11月28日。 今日からちょうど3ヶ月前。 私はこの日を一生忘れることができないだろう。 この日を境に私の生活は一変していくことになるのだから。 この日は土曜日で彼は仕事。私は休み。 私は夜に友人と会う約束があったので、それまで部屋でごろごろしていた。 午後3時過ぎ。知らない番号から私の... 続きをみる

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