忘れていた記憶
今日は午前中のみ仕事。
年度末なので異動がある。
それに伴って自分のロッカーも移動するため、整理をしていた。
すると奥から出てくる栄養指導のパンフレット。
見ると高血圧の人向けの本だった。
何でこんなものがあるんだ?私は血圧高くないし・・・なんて考えてたら、急に記憶がよみがえってきた。
彼が倒れて3日目の時。
この時私は、彼のくも膜下出血が外傷性のものなのか動脈瘤破裂によるものか、はっきり説明を受けていなかった。
外傷性じゃないか、とは思っていたが。
でももし血圧が高いのであれば、これから食事も気をつけなくちゃいけないだろう。
そう考えて栄養士の友人にパンフレットをもらっていたのだ。
「良かったら私に栄養指導をしてね。」とも伝えていた。
忘れていた記憶。
それを思い出して猛烈に切なくなった。
でも彼が倒れた後も、私は彼との未来を諦めず繋ごうとしていた。
そんな自分がちゃんといたことにも安堵した。
いろんな気持ちがぐちゃぐちゃになって、そのパンフレットをまたロッカーの奥深くにしまった。
今の私には必要がないものだけど、捨てる気にもなれなかった。
彼との未来を考えていた証のような気がしたから。