午前4時20分
彼がいなくなってすぐは睡眠がほとんどとれなくなった。
1時間毎に中途覚醒をし、彼がいない現実を思い知らされて泣いた。
時には全く寝つけないこともあった。
あの時は体力的にはしんどかったはずだが、それ以上の精神的ダメージがあったため疲れを感じていなかった。
それから数ヶ月経つうちに、人並みに疲れを感じるようになり、中途覚醒の回数も減っていった。
今ではほとんど中途覚醒がなくなった。
睡眠に関しては、もとの自分に戻ったと思っていた。
でもここ数日、何時に寝ても必ず同じ時刻に中途覚醒するようになった。
今朝もそう。
午前4時20分。
彼が旅立った時刻、午前4時32分に近い。
いや、32分は主治医から「ご臨終です」と言われた時間だ。
実際に彼の心臓が止まったのはもう少し前。
でも20分頃はまだ動いていたはず。
ただもう脈拍はかなり落ちていた頃。
私が無我夢中で彼に向かって「大好きだよ!」と叫んだ時くらいかもしれない。
この時間に目覚めるのはどういう意味なんだろう。
本当に彼が旅立った時刻は午前4時20分だよ、ということなのか。
それとも何か伝えようとしてくれているのか。
いや、意味なんてないかもしれないけれど。
ただの偶然かもしれないけれど。
ごめんね、◯◯。
もし何か伝えたいのだとしても、私は鈍感だからわからないや。
できたら夢の中で、言葉で伝えてくれると助かる。
ダメな彼女でごめんね。