彼の言葉
以前彼がこんなことを言ったことがある。
「ナナドゴブは強そうに見えるけど、本当はか弱くて繊細だよね。」
自分では精神的に強い方(?)だと思っていたし、そんなことを言われて悔しかったのもあって、
「そんなことないよ!」とムキになって言い返してしまった。
その時彼は「はいはい」と笑いながらあしらってたけど。
彼がいなくなって、彼の言っていたことが本当だとわかった。
私は、弱い。
彼がいた時は仕事で失敗しても、誰かに理不尽に当り散らされても、
「負けるか!次こそは!」と思えたり、適当に流せたりしていた。
それは自分自身が成長できたからだと勝手に思っていた。
でも今は、些細な事で泣きたくなったりくじけそうになったりしてしまう。
誰かに縋りたくなってしまう。
こんな時に彼がいてくれたら・・・といつも思ってしまう。
私は全然強くなんかなかった。
彼がいて、自分を愛してくれていたから頑張れていただけだった。
彼がいなくなってしまった今、そのことを痛感した。
今さら遅いんだけど。
彼に会いたいなぁ。そしてあなたの言うとおりだったよって言いたい。
だからそばにいてよ、とも言いたい。無理なんだけど。
彼の「ほら、俺の言うとおりだったろ」と得意げな顔が浮かんできて、少し笑ってしまった。