目標
彼と出会う前の私は相当卑屈な人間だった。
自分なんて何の取り柄もない人間だと本気で思っていた。
「私なんて・・・」「どうせ私なんか・・・」が口癖だった。
周りからみたら相当鬱陶しかったに違いない。
彼とつきあうようになり、彼は私のいろんな所を褒めてくれた。
「ナナドゴブのそういう所が好きだよ」って。
「愛してる」「大好きだよ」って言葉も結構頻繁に言ってくれた。
そのおかげで少しずつ自信を持つことができ、周りにも明るく接することができた。
そうすると不思議なもので、人間関係や仕事も上手くいくようになった。
あの口癖もいつの間にか無くなった。
卑屈な頃の私からは想像もできないくらい、性格も変わった。
あの頃の私を知っている人がみたら、かなり驚いたに違いない。
彼には本当に感謝してもし足りない。
彼がいなくなって、一時期あの卑屈な頃の私に戻りそうになった。
多分、半分戻っていたと思う。
でも今はなんとか自分を奮い立たせて、彼が好きだって言ってくれた私を表面上は保っている。
彼がいなくなったから、ナナドゴブはこうなったんだって言われたくないから。
私の心が弱いせいだ、なんて言われるのはいっこうに構わないけど、彼のせいにされるのは何故か許せない。
いつか頑張らなくても自然体で、彼が「好きだ」と言ってくれた私にもう一度なれる日がくるのかな。
まだまだ先になりそうだけど、私、なんとかやってみるよ。
だからもう少し時間をちょうだいね。ごめんね。