準備
「最期は最愛の人に手を握って見送られたい」
私の理想の最期だった。
彼はそれを叶えてくれると言った。
ずっと一緒にいてくれると言った。
嬉しかった。幸せだった。
・・実際は逆に私が彼を見送ったのだけれど。
だから私の願いが叶うことは、もう、絶対にない。
時々、考えることがある。
自分は最期をどのように迎えるのか。
でも彼がいない以上。
病院で最期を迎えるのも。
孤独死して後から発見されるのも。
私にとっては大差がない、ということに気がついた。
迷惑はかけたくないな、とは思っていたけど、どちらにしろ最期を迎えてしまったら、誰かの手を借りないわけにはいかないし。
ただいついなくなっても大丈夫なように、最低限の準備はしておかないとな、とは考えている。
自分のものはもうちょっと整理しないといけないな。
エンディングノートは一応書いたし・・あとは何をしなくてはいけないかな。