いつかあなたに逢いたい

2015年12月に6年付き合っていた最愛の彼を喪いました。
正直どう生きていったら良いのかわからないまま・・・今を過ごしています。

ハンドクリーム

彼は常に車椅子だったので、実質手や腕だけで移動していたようなものだった。

そのせいか肩周りや腕の筋肉は凄かった・・・


ただ車椅子を自分で操作する時に、ハンドリム(車椅子のタイヤについており、これを掴んでこぐことで、スピードを調整したり向きを変えたりする)を使っているので、手がいつも擦れて手のひらの皮がガサガサだった。

特に今の季節は乾燥することもあり、ひどい時は皮が剥けてしまっている時もあった。

「ちょっと!手のひらひどいじゃん!!大丈夫なの?」と訊いても、「大丈夫だよ~」なんて言って笑ってるだけ。


見かねて私はハンドクリームを彼にあげた。私が使っている物と同じもの。

彼は「わーい。ナナドゴブとお揃いだ~♪」なんて喜んでた。

ポイントはそこじゃない気がするけど・・・。

でも手をつないだ時、お互いの手から同じ香りがするのはなんだか嬉しかった。

頭を撫でてくれた時、その香りがすると使ってくれているんだ、喜んでくれたんだって思えた。

ハンドクリームを使って少し良くなったけれど、彼の手はそれでもガサガサだった。

でも途中からその感触=彼の手って感じがして気にならなくなった。

寧ろ安心した。


彼がいなくなって彼のアパートへ行った時、そのハンドクリームの容器をみつけた。

綺麗になくなっていた。大分前にあげたものだから、容器だけ取っておいたんだろう。

大事に取っておいてくれていたんだね。

なんかその容器を見た途端、無性に悲しくなった。

それをあげて喜んでいた彼の顔、彼の手の感触、そして最期に彼の手に触れた時の冷たさ、そんなものを一気に思い出したからだ。


何でいなくなっちゃたんだよ~。

これからもハンドクリームを塗ってあげたかったのに。

ずっと手を繋いでいたかったのに。

彼の手が恋しい・・

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