窓に映る自分
夜なので新幹線の窓に自分の顔が映る。
ひどい顔だ。
1年前と顔の造りは同じはずなのに、ひどく老けこんだような気がする。
目の下の隈もひどい。
私はもともと目の下に隈ができやすい。
彼もそんな私をみて心配してくれた。
「ナナドゴブ~顔が疲れてるよ。ちゃんと寝なよ。」って。
今も心配してくれていないかな。
あと目付きがかなり鋭くなった気がする。
余裕がないから、当たり前か。
顔が丸くなったのに目付きが鋭いなんて、滑稽にもほどかある。
彼がいた頃の私は、かなり柔らかく笑えていた気がする。人当たりも良かったと思う。
今は・・見る影もなくなっている。
彼がいなくなった時、彼が好きになってくれた自分を保とうと誓ったはずだった。
でもできていない。
機械的に仕事をし、毎日をルーチンワークのように過ごしている。
彼は幻滅しているかな。
でもよくよく考えると『人当たりの良い朗らかな自分』を彼が好きになってくれたのではなく、彼が私を好きになってくれたから『人当たりの良い朗らかな自分』になれただけだ。
その存在を喪ってしまった今、逆戻りするのも仕方がない。
・・・・と言い訳してみる。
彼と再会したら、私はまた自然に笑えることができるのにな。