全部大好きだから
昨晩ずっとネガティブな事を考えていたせいなのか。
今日一日、彼が最期を迎える直前の姿がずっと脳裏に浮かんでは消えて・・浮かんでは消えて・・の繰り返しだった。
夜の暗い病室。彼と私の2人で過ごした最期の時間。挿管されて眼を閉じている彼の顔。激しく動いている彼の心臓。握ってもさすっても撫でても何の反応もしない彼の手足。
そんなものが断片的に甦ってくる。
やっぱり、キツいね。
彼がいなくなった直後みたいに取り乱したり、すぐ涙が出てくることはなかったけれど、胸の中に押さえ込むのは一仕事。
油断するとすぐまた負の方向に引きずり込まれそうになる。
でも作り笑顔の仮面を被るのは、大分上手くなったと思う。
覚えていると生き辛いのかもしれない。
でもやっぱり忘れたくなくて。
無理なのかもしれないけれど、痛みを伴うかもしれないけれど、彼に関する記憶は全て私の中に留めておきたい。
思い出す場所をコントロールできるようにならねば。
傲慢なのかもしれない。思い上がりなのかもしれない。
でもやっぱり彼が大好きだから、全部受けとめたいんだ。