いつかあなたに逢いたい

2015年12月に6年付き合っていた最愛の彼を喪いました。
正直どう生きていったら良いのかわからないまま・・・今を過ごしています。

最期の時

私のアパートから病院までは15分ほど。

彼の実家から病院までは1時間ほどかかる。

そのため彼の所には、私の方が先に着いてしまった。


彼の傍に駆け寄る。

彼の顔、そして胸の辺りは真っ赤だった。そして触ってみると熱い。

なのに、手や足の先は冷たくなっていた。

そして彼の心臓はとてもはやく脈打っていた。胸の動きでわかるくらいにバクバク動いていた。まるで最後の力を振り絞っているようだった。


私は彼の左手を握った。

「○○、愛してるよ。」そう言いながらキスをした。

彼の唇に。頬に。額に。何度も何度も。

聞こえていたかどうかはわからない。でもこの時ほんの少しだけ、呼吸回数が上昇した。

偶然と言われればそれまでだけど。

そして彼の胸に肩に寄りかかってみた。いつもはそうしていると彼に抱きしめてもらえたけど、この時はもちろん何の反応もない。

もうこの腕に抱きしめてもらうこともない、そう考えると本当に悲しかった。

この時間が彼と二人きりで過ごした最後の時間だ。


午前3時20分頃。彼のご家族が到着した。

4人でベッドの周りを囲み、彼の身体をさすったり声をかけたりする。


”その時”はゆっくりと近づいていた。

まず最初に血中酸素濃度が下がっていった。そして血圧も測れなくなった。

そして私が到着した時、あんなに熱かった身体がどんどん冷たくなっていった。

呼吸回数もゆっくりとだが、確実に落ちていっている。


午前4時過ぎ。急に脈が落ち始めてきた。

脈は落ち始めるとはやい。みるみるうちに100を切り、70、60となっていく。

そしてついに30台になった。もう最期だ。

私はできる限りの声で叫んだ。

「○○っ.....大好きだよ!!」

そしてその数瞬間後、ピーッという機械音が鳴り響いた。

彼の心臓が鼓動を辞めた。


主治医の先生が来られ、瞳孔と呼吸、心臓の鼓動を確認する。

そして腕時計をみて「4時32分、ご臨終です」と告げた。


この時、彼はこの世の人ではなくなった。


×

非ログインユーザーとして返信する