いつかあなたに逢いたい

2015年12月に6年付き合っていた最愛の彼を喪いました。
正直どう生きていったら良いのかわからないまま・・・今を過ごしています。

Sさんと話す・2

2015年12月19日。
彼がいなくなって2週間ほど経った時。
私はSさんに会いに行った。


『いろいろ話をきくよ。連絡してきて』と言われたものの、最初は連絡するつもりはあんまりなかった。
Sさんと私は知り合いとはいえ、そこまで深い話をしたことがこれまでなかった。
だから自分の一番弱い所、本心を見せるのは抵抗があったのだ。
でも彼がいなくなって1週間ほど経つと、悲しくて悲しくて耐えられなくなった。
仕事では何でもないように振る舞っている分、余計に辛かった。
誰かと彼のことを話したかった。


Sさんとお会いし、2時間ほど話をきいていただいた。
初めて自分の中を支配する思い。2週間自分の中に留めていた負の感情。
全部、ではないけれどかなり吐き出した。
「もう、自分がどうしたらいいのかわからないんです。彼との未来しか考えていなかったから。どうやって生きていったらいいのか、全然先が見えないんです。」
最後にこう言ってしまった。
Sさんは黙ってきいてくれた後、彼のこんな話をしてくれた。


「ナナドゴブさんと出会う前から、私は〇〇さんを知っているんだけどね・・車椅子になったばかりの頃、〇〇さんは本当に眼が死んでいた。とりあえず身体が生きているから生きてる・・そんな感じだった。大丈夫かな、この子、これから何を目標に生きていくんだろう。そう思ってた。」
「でもね、ナナドゴブさんとつきあうようになってから、彼の眼はものすごく活き活きしていた。『彼女ができたんだよ』って私に話してくれた時、今までで一番輝いた眼をしていた。私はその時、彼女さんがナナドゴブさんだって知らなかったけれど、あぁ本当に彼女さんが好きで好きでたまらないんだなってそう思ったよ。」
「ずっと前、2人がデート中に会った時のあのほんわかした雰囲気。今でも覚えているよ。実はあの後、〇〇さんとはちょくちょく会う機会があったんだけど、私に『彼女の親御さんに挨拶に行く時どうしたらいいかな』とか、『プロポーズってどんな感じでしたら女の人って喜ぶのかな』なんて話していたんだよ。」


・・知らなかった。全然知らなかった。そんなこと。
私は呆然とした。
彼の愛は、私が思っている以上に深かったってこと。
そしてSさんは続けた。
『〇〇さんに生きる希望を与えたのは、他でもないナナドゴブさんだよ。』と。


もう我慢できなかった。号泣した。
何で、何で引き離されなくてはいけなかったの。
大好きなのに!こんなに大好きなのに!!
理不尽だ。不公平だ。そう思って泣いた。
本当に悔しかった。


Sさんは「ナナドゴブさんには幸せになってほしいよ。それが〇〇さんの願いでもあると思うから」とも言われた。
こんな言葉は何度も言われた。
「幸せになってほしい」という言葉。
その頃の私は反発していた。幸せになんかなれるわけないと。
でも彼のことを知っている人が言うと重みが違う。
この時は・・素直に受けとめることができた。


Sさんからはまたいつでも連絡してきていいよ、と言われたのだが、あれから実は連絡していない。
何となく、うしろめたいんだ。
幸せになってほしい、とSさんは言われた。
でも私はまだ幸せとは感じていない。
こんな状態では会えない、と何となく思う。
でもいつかは・・どんな形かわからないけど自分の気持ちに踏ん切りがついたら、もう一度Sさんにお会いしたいと考えている。

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