いつかあなたに逢いたい

2015年12月に6年付き合っていた最愛の彼を喪いました。
正直どう生きていったら良いのかわからないまま・・・今を過ごしています。

初めて泣いた日のこと

彼がいなくなって数え切れないほど涙を流した私だけど、そういえば彼の前で最初に泣いたのはいつだっけ?とふと思った。
思い返してみると、それは多分、2010年の8月。
つきあってまだ半年ちょっとしか経っていない頃だ。


2010年の8月。私はまだ学生だった頃。
夏休みを利用して、とある病院にインターンシップをしていた。
そこの指導者さんがまぁものすごく厳しい方で、一日に2~3回は泣きそうになっていた。
というより半泣きだったと思う。
自分の成っていない箇所を遠慮容赦なく、ずばずばと突っ込まれた。
一日が終わる度にはぁ、やっと終わってくれたと思い、朝になると行きたくないなとぐずぐずしながら重い足を引きずって行っていた。
でも彼にはこんな格好悪い所を見せたくない、愚痴を言って困らせたくないと思い、電話とかでは「そこそこ頑張ってるよ~」なんて言って誤魔化していた。


そのインターンシップも中盤に差し掛かったある日。
彼が私が終わる時間に合わせて迎えに来てくれた。
私はその時自分の車を持っていなかったから、「迎えに来て~」なんて半分本気の冗談を言っていたけど、まさか本当に来てくれると思わなかった。
彼の職場や家からはかなり遠かったのに。
嬉しかった。
車に乗り込んで彼と他愛無い話をする。
そして電話の時と同じように「何とかやってるよ~」と言おうとした。
その時彼に「ナナドゴブ。あんまり表情が優れないよ。何かあったの?」と先に訊かれてしまった。
やばっと思ったけど、そのまま嘘をつく勇気はなく「実はちょっと上手くいかない部分もあってさ~」なんて軽めに愚痴って終わらせようとした。
でもそう言いながら、涙がどんどん溢れてきた。
止めようとしても止まらない。
自分で考えていた以上に、心の中に溜め込んでいたようだ。
自分はできないんだっていう負の感情と、この仕事に向いていないかもしれないっていう自信の喪失感、そして自分の不甲斐なさに対する悔しさを。
それが彼と会ったことによって、心の枷が外れて一気に表出したみたいだった。
彼は驚いたようだったが、車を空き駐車場に停めてくれた。
そして私が落ち着くまで待ってくれた。


その後・・もう私は観念して自分の心情をぶちまけた。
多分支離滅裂で何を言っているかわからなかったと思う。
それでも彼は辛抱強く聴いてくれた。
「ナナドゴブなりに頑張ってるってことはきっとちゃんと伝わってるよ。俺にだってわかるし。それにどうでもいい人だったら厳しくなんてしないと思う。ある意味期待されているんじゃないのかな。多分、この経験もいつかは糧になると思うよ。」
彼はそう言ってくれた。
私は話を聴いてくれた嬉しさと、自分の気持ちを受け止めてくれた安心感から、車の中にも関わらず彼の胸でわぁわぁ泣いてしまった。
彼はそんな私を戸惑いながらも優しく抱きしめてくれた。
・・・今から思えば誰かに見られてもおかしくないよね。
恥ずかしい目に合わせてごめん、〇〇。


本当に、本当に優しい人なんだ、彼は。
私の気持ちを丸ごと受け止めて、そして包み込んでくれる人。
しかもさり気なく。
それがどれだけすごいことなのか、彼がいなくなってから思い知った。
私はそれが当たり前だと勘違いしていて、それに甘えていた。
ほんと、馬鹿な自分。


こんな風に安心して泣ける環境を作れるって、実はすごいことなんだと思う。
だってその人に・・相手に全てを任せられるってことだから。
究極に信頼できる人じゃないと無理だろう。
そんな相手に・・彼に出会えた私は本当に幸せだったんだなって実感する。


私は・・彼にとってそういう人でいれたかな。

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