母方の祖父母
今日は母方の祖母の祥月命日だ。
10年前の今日、祖母は眠るようにこの世を去った。
祖母は明るく、いつも笑っている人だった。
私達孫をとても可愛がってくれ、心配してくれ、遊びに行った時は食べきれないくらいいろいろご馳走してくれた。
ニコニコとした笑顔がとても印象的。
娘である母も寝込んでいるのを見たことがない、というくらい元気な人だった。
だから絶対祖母は長生きするよねーなんて話していたのに。
2006年10月に大腸癌がみつかった。
手術はしたけれど転移がかなりあり、もう手の施しようがない状態だったと後から聞いた。
そしてあっという間に麻薬を使わなければいけなくなり、意識も朦朧とし最期は眠るように逝ってしまった。
享年68歳。
3ヶ月にも満たない闘病生活。
私は呆然としてしまった。
身近な人の死の経験は、祖母が初めてだったから。
数ヶ月前まで普通に話をしていたのに、こんなにあっけなくいなくなってしまうのか、と。
そしてその頃、私は家族関係があまり良くなくて、祖母に心配かけたままになってしまった。
私があの世に逝った時、彼と再会した後は祖母の所へ行こうと決めている。
そして謝ってあの後大丈夫になったよ、ってきちんと報告したい。
あとは仕事のことかな。
私が今の仕事を目指そうと決めたのは、祖母の闘病を見たからだ。
ちゃんと夢を叶えたよって、胸を張って言おう。
ちなみに彼の最期の直前、もうすぐ逝ってしまうとわかったのは、この時の祖母の最期を見た経験があったからだ。
祖父は今でも健在だ。
耳は少し遠いが認知症もなく、しゃきしゃきと歩いている。
祖母が亡くなってからはずっと一人暮らし。
料理や家事もするし、パズルやパソコンが趣味。健康診断も異常なし。
表面上では昔の祖父と今の祖父は変わらないように見える。
でも、内心はどうなんだろう。
今でもやっぱり悲しいし、寂しいんじゃないだろうか。
会いたいんじゃないだろうか。
祖父はあまり感情を表に出さないし、私も突っ込んで訊いたことがないからわからないけれど。
祖父母は私達から見ても仲が良かった。
夫婦で仲良く買い物や旅行にも行っていた。
もうすぐ金婚式だった。
人生の大半を一緒に過ごした伴侶が、突然いなくなってしまう。
同じような体験した私でも、その苦しみの全ては想像できない。
多分、つらいとかそんな生易しい言葉じゃすまない。
世界が崩壊するのと同レベルくらいじゃないかと思う。
でも祖父はこの10年間、しっかりと生きている。
とても、すごいことだと思う。
私なんて1年過ごしただけで、挫けそうだったのに。
そんな祖父を私は尊敬してる。