オムライスの想い出
今月の彼の月命日にオムライスを作った。
その時に思い出した、オムライスに関する彼との思い出。
私たちがデートでよく行っていた洋食屋さん。
2人ともよくオムライスを頼んでいた。
そこのオムライスは卵がふわふわトロトロでとても美味しかったからだ。
しかもそのオムライスはサイズがSSサイズ~Lサイズまで選べ、彼はいつもMサイズを、私はSサイズを食べていた。
ある時彼が急に「今日はお腹が空いているからLサイズを食べてみる!」と言い出した。
私は「絶対に無理だから辞めて!!」と止めた。何故ならLサイズはMサイズの1.5倍以上はあるとメニューに書いてあったからだ。おそらく何人かでシェアするためのサイズなんだろう。
でも彼は「いや、俺なら食べきれる!」と全く根拠の無いことをいい、結局Lサイズを頼んだ。私は彼が食べ切れなかった場合を考えて、SSサイズを頼んだ。
そしてやっぱり私が危惧していた通りになった。
3分の2ほど食べたところで彼が少しつらそうにし始め、その後数口食べたが結局食べきれず、4分の1ほど残してしまった。
「ごめん。ナナドゴブの言うとおりだった。気持ち悪い・・・。」と言ってトイレに籠もってしまった。
帰り、車に乗った後「もう大丈夫なの?」と訊いたら「うん、吐いたらすっきりはした。でも食材を無駄にしてしまった。自分のミエのせいで」とひどく落ち込んでいた。
でもオムライス自体は美味しいので、その後何回かその洋食屋さんには通ったけれど、それ以降彼がLサイズを頼むことはなかった。
彼がいなくなってからはその洋食屋さんには行っていない。
いつか行って、彼の好きだったデミグラスソースのオムライスを食べたいなとは思っている。
こんなドジをした思い出も、今の私にとってはすごく愛おしい。