嫌な慣れ
もうすぐ3月が終わる。
彼がこの世を去ってから、もうすぐ4ヶ月になろうとしている。
ここまでものすごく長かったような、短かったような不思議な感覚だ。
彼がいなくなった直後と今、何かが少しずつ変わってはいると思う。
良い方向なのか、悪い方向なのかはわからないけれど。
仕事中に泣くことはまずなくなった。
泣き叫ぶ回数も減った。
人前で笑顔を作るのは上手くなったし、たわいない雑談だってできるようになった。
夜中に中途覚醒することもぐんと減ったし、食欲だって戻ってきている。
前は片時も彼のことが頭から離れなかったのが、今は仕事に集中している時は忘れている時もある。
悲しみや寂しさ、怒りは感じているし、未来のことを考えると苦しみと絶望感が襲ってくるのは変わらない。
でもその状態が当たり前になってしまった。
負の感情と共存しているというか。
多分このままの状態に慣れていけば、生き易くはなるんだと思う。
ただ、彼と過ごした幸せな日々が、少しずつ少しずつ遠ざかっていくのもつらい。
これが前に進んでいる、ということなのかもしれないけれど。
でも、なんか嫌だな。
一人で生きていかなくてはいけないのに、その状態に慣れるのが怖い。
そんな矛盾した思いを今、抱えている。