いつかあなたに逢いたい

2015年12月に6年付き合っていた最愛の彼を喪いました。
正直どう生きていったら良いのかわからないまま・・・今を過ごしています。

お骨

再び続き。あの時のこと。
あの時のことを書くのも、もうあと2~3回になると思う。
少し生々しい表現があるかもしれません。




斎場に下りていくと、そこには”彼”がいた。
いや、正確には”彼だったモノ”か。
私がお骨拾いをするのは二度目。祖母の時以来だ。
祖母の時はお骨が少し黒ずんでいて、小柄だったからか少なかったような印象があった。
でも”彼”のは・・
白くてしっかりしていて、とても太くてたくましかった。
こんな表現は変なのかもしれないが。


これが彼?
いつも私を笑顔で迎えてくれていた、あの彼なの?
別人じゃないの?
彼の最期をみて葬儀も終わったのに、私は未だにそんな往生際の悪いことを考えていた。
でも斎場の人から彼のお父さんに、「息子さんの身体から出てきたものです」とあるものを渡された時、やっぱり現実を突きつけられた。
そのあるものとは金具。
数年前、彼が転落事故にあった時、手術で入れたもの。
骨盤と首の骨を留めるための金具だった。
それを見た瞬間、あぁやっぱりこれは彼の骨なんだ・・と薄ぼんやり思っていた。


彼のご家族がお骨を骨壷に入れた後、私も彼のお骨を入れた。
もうこの頃には涙も出ていなかった。
ただただひたすら、ゆっくり休んでね・・と思いながら骨壷に骨を入れた。
全員の順番が終わっても、骨は残っていた。
一番印象的だったのが・・頭の骨。
祖母の時はそうでもなかったのに、彼の時はほぼ形が残っていた。
そのままでは当然骨壷に入らないので、彼のお父さんがそれを砕いた。
ぱき、と乾いた音がした。
あ、痛そう・・と思ってしまった私は、やっぱり彼の死を受け入れていなかったんだと思う。


骨壷に全て骨が入れ終わった。
彼のお父さんとお姉さんは、これから骨壷をもってお寺へいくとのこと。
身体の弱い彼のお母さんだけ先に帰宅することになり、私の車で送っていくことになった。
車の中。移動時間は15分ほど。
彼のお母さんは気を遣ってか、いろいろと話しかけてきてくださったけれど。
申し訳ないけれど、生返事しかできなかった。
”もう、本当に終わってしまったんだ。彼とは会えないんだ。どう頑張っても話せないんだ。明日からどうやって生きていけばいいの?明日なんて来なければいいのに・・”
その無限ループ。
ただひたすら、終わってしまったと愕然としていた。


彼の実家に着いて、彼のお母さんをおろす。
その際にお義母さんからある紙袋をいただいた。
帰ってら開けてみてほしいと。
それについては、また別の記事であげることにする。


彼のお母さんをおろした後、本当はまっすぐ家に帰るべきなのに帰りたくなかった。
すべてが終わってしまった後なのに、少しでも「彼に関わっていられる時間」を引き延ばそうとしていたのだ。
もう外はすっかり真っ暗闇。
暗がりの中で車を停めて、泣いた。


結局私が自分の実家に帰ったのはかなり時間が経ったあとだった。

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