無題(4)
私は女子力が低い(もう女子という年齢でもないが)
彼はよくこんな私を好きになってくれたよなぁ・・といつも思う。
今の時期。
これまでだったら肌の手入れなんてあんまりしていなかった。
”湿気があるから乾燥することもないだろ~”なんて思っていたし、実際に肌の調子が悪くなったことはこれまでなかった。
でも今日、シャワーを浴びた後なんだか肌がガサガサする。
・・・結構ショックだった。
でも急なことでボディクリームなんて持っていない。
どうしよう・・と思った時、試供品で貰ったものがあったのをふと思い出した。
香りがローズのもの。
自分はローズの香りがそこまで好きじゃなかったから、使わずにいたのだ。
つけてみると案外良かった。
自分はローズの香りが苦手だったけれど、今はそんなこともなかった。
むしろいい香りだと思い、そんな自分に少し驚いた。
人は生きている限り変化していく。
肉体的にも嗜好的にも。
彼は自分の記憶にある彼のまま。
でも自分は見えないところから少しずつ変わっていく。
当たり前のことだけどやるせない。
こんな時、もう彼と自分は住む世界が違うんだって実感する。
まだ彼がいたら・・
彼も少しずつ変化していたにちがいない。
それをみられないことが、たまらなく寂しい。