いつかあなたに逢いたい

2015年12月に6年付き合っていた最愛の彼を喪いました。
正直どう生きていったら良いのかわからないまま・・・今を過ごしています。

お通夜の前に

唐突に始まる前回の続き。あの時のこと。



納棺式が終わって。
彼が入った棺が祭壇の前に移動した。
お通夜が始まるまで時間があったため、どうしようか・・何か手伝えることがあるか・・と思っていると、彼のお姉さんに声をかけられた。
「ナナドゴブさん、悪いけどウチの子とちょっと遊んでてもらえる?」と。
彼にとっては甥にあたる。
彼も可愛がっていた。
子どもの相手は自信がなかったけれど、喜んで引き受けた。


一緒にブロックで遊ぶ。
「これはこうやって組み合わせて遊ぶんだよ、お姉さん」なんて無邪気な笑顔で教えてくれた。とても優しい子。キラキラした目の子。
彼も目に入れても痛くない、なんて言ってたな。
もうすぐ誕生日で、何をお祝いに送ろうかな・・なんて楽しみにしていたっけ。
それが実現できなくなってしまったことが、ものすごく悲しかった。
せめて何を買うつもりか聞いていれば、私が代わりに買うことができたのに。
私の馬鹿。
甥っ子さんはこのまま優しい人に育ってほしい、そして私のような辛い経験はしないでほしいと思ったことを覚えている。


しばらくしてお通夜の時間が近づくと、ぞくぞくと人が入ってきた。
そしてその中に見覚えのある顔を見つける。
彼がお世話になっていた訪問看護師さんだ。
実は彼とのデート中、数度お会いしたことがある。
「あら、その子が噂の彼女さん?〇〇さん、ものすごくいい笑顔よ」なんて声をかけてくれて、彼も照れくさそうに笑っていたっけ。
おもわず駆け寄ってしまった。
あちらも私を見てすぐにわかったようだ。
「彼女さん・・よね?今回のことは急すぎて何て言ったらいいか・・この知らせを聞いた時、あなたのことが一番先に浮かんだ。心配になった。でも今は気をしっかり持って〇〇さんをおくってあげてね。」
そんなことを言われたと思う。
思わず涙ぐんでしまった。訪問看護師さんはそれ以上は何も言わずに私の背中をさすってくださった。


今になって振り返ると・・
この時の私は必死に冷静になろうとしていたんだと思う。
自分が取り乱しちゃいけない、泣き喚いちゃいけない。
何故かそう自分を言い聞かせていた。
心の奥底に彼のご家族の方がもっと悲しいはず、だから私が場の空気を壊しちゃいけない、迷惑をかけちゃいけない・・そんな風に考えてしまっていたのかもしれない。
突然の彼の死。そして葬儀。
全然頭が追いついていなかった。
本当は叫びたかった。
何でなの、意味わかんないって・・
でもそうしたらいけないって何となくわかっていた。
だから必死に抑えた。自分の本心を。
泣かないように神経を集中させていた。
だからだろうか。この時のことは入院中より記憶が曖昧だ。

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