ありえない
彼がいなくなって、感情の起伏があまりなくなった部分はある。
特に怒りの感情。
ここは怒るべきところなんだろうな、と思っても怒るのが面倒で適当に流す。
怒るのはエネルギーを使うからね。
・・なんだけど、久しぶりに腹がたったことがあった。
数日前。
友人に用があって電話した。
この友人は4月に転職して、私と同じような職種に就いた。
電話で話していると声が暗く歯切れも悪い。
何かあったのかと思い、今日食事に誘ったのだ。
食事を食べながら、友人がぽつり、ぽつりと話し出した。
部署の空気が最悪なこと。
質問をしても答えてくれない時もあること。
自分が何か悪いことをしたか、悩んでいること。
まぁ仕事もあんまりできないしね、と友人は自嘲気味に笑っていた。
・・・ないわ。
普通にないわ。
ありえない。
新人を萎縮させてどうする。
仮に友人が悪かったとしても、注意すればよいだけの話だし無視はありえない。
というか入って1ヶ月の新人に一体何を求めているんだ。
私らと同じようにばりばり仕事してたら、そっちの方が驚きだわ。
・・・と久しぶりに憤慨してしまった。
まぁ私は愚痴をきくことくらいしかできないけれど。
友人が最後の方は笑ってくれたので、まだ良かったかな。
帰り道。
自分が1年目のことを思い出していた。
彼と死別した年でもある。
新人+そんなことがあったものだから、今思い返すと全然仕事ができていなかったように思う。
でも先輩は嫌な顔一つせずにフォローしてくださった。
感謝してもしきれない。
私も4月から4年目。中堅といわれる部類に入る。
部署に新人も入ったし、今度は私が恩返しできたらいいな。
とりあえず今日の友人の話を聞いて、本当萎縮させないよう気をつけようと思った。