いつかあなたに逢いたい

2015年12月に6年付き合っていた最愛の彼を喪いました。
正直どう生きていったら良いのかわからないまま・・・今を過ごしています。

個室に移されて

待合室で待っている間、私は自分の両親に連絡を入れた。

彼はもういつ最期を迎えてもおかしくない、ということを伝えると両親は絶句していた。

ただ、何かあった時は連絡を入れてほしいとだけ言われた。

余計なことを訊かないでいてくれるのは本当にありがたかった。

多分、数日そっちに帰ることになると思う、と伝えるとわかった、とも言ってくれた。


処置が終わり、彼は個室に移された。

多分最期が近いからだろう。

私は傍に座って「○○・・」と声をかけ、身体をさすってあげることしかできなかった。

もちろん、反応はない。

看護師さんがきて、彼の状態をチェックする。

眼に光をあてて、対光反射を確認する。

光に反応して瞳が小さくなるかどうかみているのだ。

まずは右眼・・・彼の瞳は反応し小さくなった。

次に左眼・・・看護師さんが光をあてた瞬間、私は見てしまった。

左眼の瞳が右眼よりも拡がっていることに。

本当に最期が近いんだ、と実感してしまった。


彼のご家族もこの時到着された。

お父さん、お母さん、お姉さん。

私は慌てて礼をする。

「ナナドゴブさん、来てくれてありがとう」逆にお礼を言われてしまった。

延命治療はしないと選択しました、と伝えるとそうですか、と返事をされ、あとは全員で言葉少なく彼を見守る。


彼は挿管されたおかげで呼吸が一時、安定した。

ちなみにこの時の時刻は午後9時過ぎ。

彼のお父さんに「一度、戻りましょう。ナナドゴブさんも一度帰った方がいい。ずっとここにいるんでしょう。体力が持たないですよ。」と言われた。

本当はずっといたかったが、ご家族がそう言われるのでは仕方がない。

一度アパートに帰ることにした。


看護師さんから、「何かありましたらすぐにお呼びしますから」と言われたので、それを信じ、病院を出た。

最期に立ち会えないのは絶対嫌だったからだ。

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