いつかあなたに逢いたい

2015年12月に6年付き合っていた最愛の彼を喪いました。
正直どう生きていったら良いのかわからないまま・・・今を過ごしています。

言いたくなかった言葉

その後も私はずっと彼のそばにいた。

看護師さんの仕事の邪魔だったかもしれないが、どうしても離れられなかった。


彼の友人が帰ってしばらくした後、看護師さんが身体を拭きに来てくださった。

流石に邪魔になるので、少し離れる。

「終わりましたよ」という看護師さんの言葉に再び彼の所に戻る。

そして彼の顔を見た時・・・

今まで寝ているような顔しかしていなかったのに。


彼は下顎呼吸をしていた。

口を大きく開けてはーっはーっと懸命に酸素を取り入れようとしている。

呼吸をすることにも全エネルギーを注いでいる状態だ。

看護師さんも驚き「今、先生を呼んできますね。」と言い、その場を離れた。


私はそんな彼を見て思わず口走ってしまった。

一番言いたくなかった言葉を。

「もういいよっ......今まですごく頑張ったんだから、もう頑張らなくていい....!」


彼は10年近く前、転落事故で車椅子になった。

そこから頑張って頑張ってリハビリをして、人並みの生活を送れるようになった。

これから自分の幸せを掴もうとしていた時に、何でこんなことになってしまうのか。

どうして彼ばっかり・・どうしてどうして!!!!

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しばらくして先生が来られ、これから挿管すると言う。

これも延命治療のひとつといえばそうなのだが、呼吸をするのは楽になるとのこと。

それに彼の実家は病院から少し離れている。このままだと最期に間に合わないかもしれない。


処置が施されている間、私はICU前の待合室で待つことになった。

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