いつかあなたに逢いたい

2015年12月に6年付き合っていた最愛の彼を喪いました。
正直どう生きていったら良いのかわからないまま・・・今を過ごしています。

延命治療について

「お互い無理な延命治療はしないでおこう」

彼と前から約束していたこと。


彼は言っていた。

「ナナドゴブー俺は無理な延命は望まないからね。管だらけになって死ぬのは嫌だから。自然に死なせてね。将来もし何かあったらそうしてね。」と。

私は「わかったよー。でも先にいなくならないでよ。それに私の時もそうしてね。」と答えていた。

でもそんなことはまだまだ先だと思っていた。

結婚して、一緒にいろんなことをして、定年退職して、一緒に老後を過ごしてからのことだと。

まさか結婚を約束した1週間後に、全てのライフステージをぶっ飛ばして看取りをするなんて思っていなかった。

そして、愛する人の命の期限を決めることを20代で経験するなんて思わなかった。

つらかった。苦しかった。


実は主治医の先生から病状説明を受けるまでは、人工呼吸器をつけることもほんの少しだけ考えていた。まだ若いし、何とか回復するのではないかと。

でも彼の脳の画像を見た瞬間、そんな考えは粉々に打ち砕かれてしまった。

私が職場で今まで見てきたどの患者よりも脳の損傷が激しかった。

人工呼吸器をつけたって何の解決にもならない。ただ最期までの時間が延びるだけだ。

脳死状態や植物状態になる可能性が極めて高い。例え奇跡的に意識が回復したとしても、凄まじい障害が残ることがわかってしまった。

もともと車椅子の彼に更に障害を負わすのか。

私がそんなことをしていいのか。

絶対にダメだ。

そんな考えが一瞬で頭を駆け巡った。


人工呼吸器をつけなかったことは今も後悔はしていない。

ただ、これが正解だったかどうかは彼に訊かないとわからない。

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