いつかあなたに逢いたい

2015年12月に6年付き合っていた最愛の彼を喪いました。
正直どう生きていったら良いのかわからないまま・・・今を過ごしています。

靴の想い出、思うこと

私は足のサイズが26.0cmだ。
女性にしてはかなり大きな方。
だからいつも靴を探す時は一苦労だ。
最近は大きなサイズを売っている店を増えているが、サイズが大きくなったら途端にデザインがダサくなったり、置いてある品数が少なくて選択の余地がなかったりすることなんてザラにある。
彼と買い物デートをすることになった時、私が「靴が欲しい!」と言うと、
「げっ、それ一日がかりじゃん。ていうかまず合うサイズの靴があるかどうか心配した方がいいよね・・」なんて笑いながら言われた。
そして私が「何だってー!」って怒ったフリをしていたのも良い想い出。
もちろん本気で怒ってたわけじゃない。
彼だと不思議と腹が立たなかった。
むしろこれをきっかけにじゃれあう時間も楽しかった。
彼だったから。


ある冬の日のデートでのこと。
この日は別に靴を買う予定はなかったのだけれど。
ショッピングセンターに行って彼と一緒にレジに並んでいる途中、向かいの店で売られているブーツが目に入った。
グレーの可愛らしいブーツ。
彼のレジが終わるまでまだ時間があったし、彼に一声かけて見に行った。
近くでみるとやっぱり可愛い。デザインも私好み。
でも24.5cmまでのサイズしかなかった。
私が諦め悪く、どこか奥の方にもっと大きいサイズがないかなとか、せめて色違いでもいいからサイズが合うものがないかなとかいろいろ探し回っているうちに、随分と時間が経ったらしい。
気がつくと彼が後ろにいた。面白そうに笑いながら。
「ナナドゴブ、サイズあった?ww」と訊く彼。
語尾が完全に上がっていますけど・・
「ないよ!わかってて訊いてるでしょー?もう!!」なんてむくれる私。
「あはは、悪い。探し回ってる姿が必死そうでww」と全然悪く思ってなさそうな彼。
・・・こんなやりとりも、楽しかった。本当に。


今日、友人と一緒にショッピングセンターに行った時、全く同じ状況になった。
レジに並ぶ友人。
私はその間靴を見ていた。
そしてその時、私は無意識に声をかけられることを願っていた。
『ナナドゴブーサイズあった?ww』なんて。あの日と同じように。
そんなことあるわけないのにね。
しかも一緒にいるのは友人なのに。
わざと私が到底履けないような、小さいサイズの靴を眺めていたりもした。
『それ絶対ナナドゴブ履けないでしょ!何見てるのww』なんて面白そうな彼の声が聴こえてくるのを期待して。
でも当然何もなかった。
友人が精算を終えて、こっちに来て買い物を続ける。それだけ。


こんな小さな、何でもないことでも彼はいないって実感するには十分だ。
その実感は以前のように私をズタズタに切り刻むことはないけれど、チクチクした痛みとなって、私の心に突き刺さっている。
少し前は彼の愛してるって言葉だとか、私の名前を呼ぶ声だとか、そんなのを聞きたいって思ってた。
でも今は、私をからかう声でも何でもいいから彼の声が聞きたい。

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