いつかあなたに逢いたい

2015年12月に6年付き合っていた最愛の彼を喪いました。
正直どう生きていったら良いのかわからないまま・・・今を過ごしています。

会えた・・のか?~夢での不思議な感覚~

前回の記事を書いた後。
少しうつらうつらした後すぐに寝た。
そして彼の夢をみた。
いつもとは少し感覚の違うリアルな夢。


私は買い物をしており、一休みするために店の外に出た。
そこは吹き抜けのような場所になっており、窓も大きくとても気持ちのよい場所だった。
そこに彼はいた。
2人で窓のそばのカウンター席のような所に座る。
手を繋ぎ、窓の景色を見る。
広い広い湖が見えた。
そしてこの時気づいた。
これは夢であること。彼は本当はいないこと。そしてこの時間が貴重なものであること。
ここまで夢の中ではっきりと自覚したことはなかったので、自分自身驚いていた。


夢だとわかった瞬間、私は夢の中で自分の意識を覚醒するぎりぎりまでもっていった。
夢から覚めるか覚めないかの状態。上手くいった。
自分でも何でこんなことができたかわからない。
本当に不思議な感覚だった。
ぎりぎりにまでもってくると、不思議と彼の輪郭が今まで以上にはっきりし、色も鮮やかになってきた。自分の五感もいつもの夢より鋭くなっていた。
夢なのに夢じゃないみたいだった。


そして私はダメもとで彼に訊ねた。
「ねぇ、○○。これからもずっと一緒にいてくれる?」
無茶なお願いをしてるとわかって言った。だってもうお互いに住む世界が違うんだから。
「あー・・、いや・・・その・・うん。」
彼は歯切れが悪そうにそう答えた。
目を泳がせて、私のほうを見ないようにして。
私は「わかった」と返した。
『いいんだよ、わかってる。私を気遣ってはっきり答えられないんだよね。
それは無理なんだって言えないんだよね。
優しい嘘をありがとう。
でも態度でばればれだよ。相変わらず嘘つけないね、○○は。』
一言にそんな思いを込めて返した。


その後、私は彼の頬を両手で包みキスをした。
彼は「えっ、ちょっ、ナナドゴブ!?こんな所で・・?」と戸惑っているのが伝わってきた。確か近くではないけれど、周りに人がいた気がするから。
でも構うもんか、と思った。
これを逃したら、次に彼に触れられるのはいつになるかわからない。私は直感でそう思っていた。
我ながら大胆だ。ついでに抱きついておけば良かった。
彼の頬の感触。彼の顔の輪郭。キスした時の温かさ。
いつもの夢のように少しぼんやりした感覚じゃなくて、かなりはっきり感じ取ることができた。
彼が生きていた頃と変わらなかった。嬉しかった。
あぁ、彼なんだなと素直にそう思えた。
キスし終わった後、彼と顔を見合わせて笑った。
彼の笑顔はあの頃と変わらなかったけど、少し寂しそうだった。
私も夢の中で無意識に泣いていた。
嬉しい、ありがとう、切ない・・色んな気持ちが混ざり合っていた。


そしてそこで完全に覚醒した。


目が覚めた後も余韻に浸っていた。
不思議と穏やかな気持ちだった。
そんなことはないと思うけれど、もしかしたら本当に会えたのかもしれない、なんて思った。
夢の中であそこまで完璧に自分自身をコントロールできたのも、感覚があんなにはっきりしたのも、夢なんだと自覚したのも初めてだったから。


あの"夢から覚めるか覚めないかぎりぎりの状態"をもっと上手くコントロールできたら、彼とももっと話したりできるんじゃないか、そう思ってしまった。
たとえ私が創り出した幻であっても。

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