指輪(1)
つきあってもうすぐ2年が経とうという頃。
おそろいの指輪を買ってもらった。
綺麗なブルーの指輪。
東京のお台場のヴィーナスフォートへ行って、いろいろなお店をまわって、あれでもない、これもしっくりこないって2人で悩んだなぁ。
指輪を買う際、彼は車椅子なので指輪を傷つけそうで怖いってことで、ペンダントにしてもらった。
私は小指のサイズに合わせた指輪を買ってもらった。
本当に嬉しかった。
それ以来、デートの時はいつもおそろいでつけたなぁ。
今は彼がつけていたペンダントに私の指輪も通してある。
そしていつも身につけている。
プライベートの時はほとんど首から提げているし、仕事の時もポケットにいれてある。
服のコーディネートにどうしても合わない時も、ポーチに入れて持ち歩いている。
そして私の身に万が一のことがあった時は、このペンダントは私の骨壷に入れて欲しいと家族に頼んでいる。
家族は最初、「不吉なこと言わないで」と言っていたが、私が真剣に頼んでいるとわかったのか了承してくれた。
二つ並んでいる指輪を見ると、何でなんだろうって悲しくなるけれど、こうすれば彼と一緒にいるって気がして少し安心するんだ。