いつかあなたに逢いたい

2015年12月に6年付き合っていた最愛の彼を喪いました。
正直どう生きていったら良いのかわからないまま・・・今を過ごしています。

愛してるって言葉

これは私が大馬鹿者だった話。



彼はわりと愛情表現を言葉でしてくれる人だった。
ちょっとしたきっかけがあると、「大好きだよ」とか「愛しているよ」と言ってくれた。
特に電話を切る時は必ず言われた。
それはとても幸せなことなのに、私は勘違いをした。
当たり前だと思ってしまったのだ。
そして”こんなに頻繁に愛していると言われたら、何だか新鮮味がない”とわけのわからないことを思ってしまったのだ。


ある日、彼から「愛しているよ~」と言われた時、私は言ってしまった。
「ねぇねぇ、そんな頻繁に愛してるって言われたら、なんかありがたみが薄くなっちゃう。特別な時に言ってくれないかな」と。
彼からは「え・・」と少し戸惑ったような、不満そうな様子が伝わってきた。
でも彼は了承してくれた。
それからは「好き」とは言ってくれたが「愛している」と言われる回数は激減した。
当時はそれでいいと思っていた。
ずっと、一生一緒にいるのだから、ここぞという時に愛してると言って欲しい。
言う回数が少なくなった分、感激することも増えるだろう、と。


馬鹿だ。大馬鹿だ。
自分のことしか考えてない。
当時の自分を殴り飛ばしたい。
愛してるって言われるのは幸せなことなのに。
彼は言葉で愛情を伝えてくれたのに。
それを否定されて、彼はどんな気持ちだったのだろう。
考えただけで胸が痛い。


もう二度と聞けなくなった彼の「愛してる」って言葉。
今はものすごく渇望している。
そういえば、最後に言ってもらったのはいつだっけ。
それすら、思い出せなくなってきている。
というより、最期の方は私が泣きながら「愛してる」と言っていた。
ベッドの上の、意識のない彼に。
その記憶が強すぎるのかもしれない。


彼のお墓参りに行った時とか、彼とエアデートした時とか、彼のことを想う時。
いつも「愛してる」と言っている。
彼はどう思っているだろう。
俺には言うなって言った癖に矛盾してるなって思っているのだろうか。


彼を喪ってから、言葉にして伝えることの大切さを嫌というほど知った。
伝えなくて後悔する、そんなことは正直二度と経験したくないから。
大切な人には伝えるべきこと、ちゃんと伝えていきたい。

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